ギャラリーフェイク

 ずっと積録だったギャラリーフェイクをやっと見終えたので、少しだけ感想を。最終話がとてもよかった。メット絡みの話で始まり、メット絡みの話で終わるという据わりの良さもさることながら、実直な成功者だけれども芸術的な素養のないリチャードソンさんが、芸術を愛した亡き息子を思う心情が切なく、(芸術そのものに対する理解ではなく)メットで働く人々の、仕事に対する真摯な気持ちに共感して多額の寄付を決意するというのが素直に感動を呼ぶ。藤田のリチャードソンさんに対する態度も好感が持てたし、これまでにも散々描かれていたが、メットの人たちが伝説のキュレーター藤田に今もって尊敬と親愛の気持ちを持ち続けていて、藤田もまた彼らやメットに愛着を感じているという描写も心地よい。レギュラー・準レギュラー総出演の最終回もいいものだが、本作のようにレギュラーの出演は藤田のみ、サラは街頭広告と電話(声なし)で出ただけ、三田村館長は出演なしで、雪野さんがアナウンサー役で出ただけという奥ゆかしさも、日常生活はずっと続いていくってな感じで本作にはふさわしい。
 サラが藤田の元同僚にプロポーズされる回では、化粧することのよさももっとフォローして欲しかったな。