反逆のルルーシュ  「喝采 の マオ」

 なんか、マオが哀れだー。6歳でギアスの力を与えられ、それが読心能力。能力をオフにすることができないから、人がいるところでは、絶えず人の心が自分の中に流れ込んでしまう。たった一人、力が及ばないのがCCだけ。それじゃあ、CCに執着するのも当たり前だよね。せめて、能力のオンオフができたらよかったのに。

 ギアスの発現は人によって違うようだけど(武装錬金もそうだったね)、その人の性格や欲望、意識と関係あるのだろうか。また、例えば、瞬間移動とか、念動力とか他人の思考が絡まないギアスもありうるのか?
 孤児だったマオは、人の心が知りたいと思い、ルルは人を思い通りに動かしたいと思っていた?ルルの能力に制限があるのは、無意識に、人を支配することに自分自身で制限を加えているから?使っているうちに力を増す、ということだけどどんな風になるのかな。

 CCが結局マオを殺せなかったのは、マオに対し罪悪感を抱いていたからだろうね〜。非情な女の子ではないということだよね。マオから力を奪わなかったのは、力は与えられても、奪うことはできないということだろうね。CCはちょっとやそっとでは死にそうにないけど、マオがCCを“コンパクトに”しちゃったら、それでも再生能力はあるのだろうか?(さすがに無理?)

 マオはすぐに退場しちゃったけど、ここでわかったことは、CCが11年前から変わっていない(年を取ったように見えない)ことと、ギアスについての設定がいくつか。それと、CCが自分の望みを叶えてもらえなくても構わないから、ルルを助けようとしたこと。

 シャーリーはいつもどおりに学園に通ってる。それなら、ルルに対する一切の記憶をなくすんじゃなくて、ここ1週間ばかりのルルに関する記憶をなくすぐらいでもよかったのでは?ルルのことだけ忘れるなんて、はかの人から見るとおかしすぎ。

 ここらで、枢木スザク=偽善者説を取る人が多いので、少しスザク擁護説を。
第1話で、スザクは、毒ガスが入っていると思っていたカプセル(本当はCCが入っていた)が開いた時、咄嗟に自分の防毒マスクをルルーシュの口にあてがってルルを庇ったし、ルルを殺すよう上官に命じられてもそれに従わなかった。ランスロットに乗った最初の戦闘の最中に、ビルから落ちそうになった民間人を咄嗟に助けた。

 こういう咄嗟の行為ができるのって、やっぱり偽善者じゃないと思う。
スザクが、民間人の犠牲が出ることを極端に嫌うのは、父親との間にあった何らかの出来事(彼のトラウマとなった)と関係があるのだろう。例えば、父親が一般人を犠牲にしても闘おうとしたのを止めようとして父親を殺してしまい、その挙句、結局助けようとした人たちも救えなかった、とかね。ゼロが、クロヴィス暗殺の濡れ衣を着せられたスザクを助けようとしたことを、スザクも忘れてはいないし、それは認めながらもゼロのやり方を批判し続けるのにも彼なりの理由があるのだと思いたい。

 にしても、ナンバーズであるスザクが、ブリタニアを中から変えていくのは、本当なら遠い道だろうなあ。いくらランスロットパイロットだとしてもね。(ランスロットパイロット適性がある人って他にはいないのかなあ)  スザクがブリタニアで力を得るためにはよほどぬきんでた実力か、権謀術策を使わないと。でもそういう汚い手を使うことは性格上無理。アニメだから、都合よく何らかの方法(ユーフェミア関係?)で力を得るのだろうけど。彼は軍人として、意に染まぬ命令を受けたとき、どうするのだろうか?自分の信念を貫いて命令を拒めるのか。(第1話ではそうしたが)。

 ここで、ちょっと、思い出したこと。全然アニメには関係ないことだけど、ベルリンの壁が崩壊して、東西ドイツが統一されたとき、それまでに、東から西へ、ベルリンの壁を越えて亡命しようとした人たちを射殺した警備兵たちが裁判にかけられた事があった。私は、まあ命令(職務)だから仕方ないだろうと思ったのだが、確か有罪になった気がする。曰く「人道に対する罪」を犯したからと。もちろん戦時においても、あまりに酷い事をすれば、軍事裁判で裁かれるだろうけど、普通に上官の命令を聞いただけではダメで、その命令が適切かどうか、一兵卒といえども、自分で判断する必要があるということだろうかと驚いたものだった。(実際にどれほどの罪になったのかは覚えていないし、その後無罪になったかもしれない。あやふやな記憶でごめん)。会社なら上司の命令を拒むことはできても、軍隊では難しいよね。そういう時、スザクはどうするんだろう。

 スザクとルルーシュの立場って、逆転関係にあるんだよね。ルルーシュは、あまり重要視されてはいなかったけど、一応第4皇子だったんだし、ブリタニアを壊すにしても、死亡したことにはせず、ブリタニア内部で力を手に入れて、母親を殺された真相を探ったり、ブリタニアを壊すことも可能なはず。(命を狙われる危険性もあったのかも?)その方が近道のような気がする。
スザクは逆に元総理の息子ということで、反ブリタニアの旗頭に立ってもよさそうなのに、そうはせず、名誉ブリタニア人となり、ブリタニアの中でも重要視されず、日本人から見れば裏切り者と蔑まれても仕方ない立場にあえて身を置く。父枢木玄武は、徹底抗戦を唱えながら自決した裏切り者と思われているらしいが、それでも元総理の息子というのは、反ブリタニア勢力としては何がしかの求心力を持っていると思われる。

 だのに、ルルーシュは外からブリタニアを壊そうとし、スザクは内からブリタニアを変えようとしている。二人とも、困難な道を歩もうとしているんだね。